五感で味わう〜旅する映画(電車、飛行機)

70年ぶりにアルゼンチンからポーランドへ
映画『家へ帰ろう』93分、
スペイン🇪🇸アルゼンチン🇦🇷合作
2017年10月6日  スペイン🇪🇸
2018年12月22日  日本🇯🇵

【あらすじ】
 アルゼンチンに住む
88歳の仕立て職人アブラハム。

 彼は娘たちの説得により
自宅を処分し、
老人ホームに入居することになったが、
本心では納得していませんでした。

 入居前夜、荷物を整理していると
1着のスーツが出てきます。

 それは、70年以上会っていない
故郷ポーランドに住む親友の為に、
アブラハムが仕立てたものでした。

 自身の人生の終わりが近いことを
感じたアブラハム。

 必ず会いに行くという
約束を果たす為に、
自分が仕立てたスーツを持って
家族に黙って旅に出ます。

 70年前に離れてから
一度も帰郷したことのない
ポーランド・ウッチへ。

 飛行機に乗ったアブラハムは、
まずスペイン・マドリッドへ。

 マドリッドからは、列車に乗って
パリ、ワルシャワ、ウッチへ。



 何せ70年ぶりの大移動。

アブラハムが行く先々で
色々大変な目に遭ってしまいます。

 飛行機で知り合った青年レオナルド。
 ホテルの女主人マリア。
 ドイツ人の文化人類学者イングリッド。
 ワルシャワの看護師ゴーシャ。

 たまたま旅の途中で出会った人たちに
その都度助けられ、
旅を続けることになります。
 
そして、故郷ウッチへ。

 続きは映画館でどうぞ😊✨





 見どころは、
旅する映画のテーマにふさわしく
アブラハムと一緒に
旅行している気分になれること!

 アブラハムの何気ない言動が、
とてもユーモラス!

 主役のミゲル・アンヘル・ソラが演じる
頑固で偏屈なのに、
なぜか手を貸してあげたくなる
愛されじじいが、すごく好きです!


 70年以上前のポーランド・ウッチ。
 第二次世界大戦中のホロコーストにより、
ユダヤ人のアブラハムは
両親や兄妹、親戚を失いました。

 足に大怪我を負った、
当時17歳のアブラハム。

 彼は、何とか収容所から逃げ出し、
かつて両親や兄妹と暮らしていた家に
たどり着きます。

 だが、そこにはアブラハムの親友一家が 
暮らしていました。

 親友は、動けなくなった
アブラハムを抱き抱えて
密かに地下室に匿い、
高熱を出したアブラハムの看病を
献身的にします。

 親友のおかげで、
なんとか生還できたアブラハムは、
ホロコーストを辛くも逃れた叔母を頼り、
アルゼンチンに渡ることができました。

 親友は、命を助けてくれただけでなく
渡航費用まで工面してくれたのです。

 親友には会いたいけど、
ホロコーストによる心の傷で、
70年間1度も故郷に足を
踏み入れることができなかった
アブラハム。

「ポーランド」と「ドイツ」の言葉を
口にすることもできないくらいの
タブーとなってしまいました。

 そんなトラウマを抱えた88歳の老人が、
異国の見ず知らずの
若い世代の人たちとの交流で、
多少は癒されたのかも
しれないですね。

 






ロシア、モロッコ、イギリス、フランス、スイス〜と、刺客に追われる危険な旅!

映画『われらが背きし者』107分。

2016年5月13日、イギリス🇬🇧公開。

2016年7月1日、アメリカ🇺🇸公開。

2016年10月21日、日本🇯🇵公開。



【あらすじ】

 ロンドンの大学で
文学を教える大学教授ペリー
(ユアン・マクレガー)と、
法廷弁護士の妻ゲイル
(ナオミ・ハリス)は、
どこかスレ違ってしまった夫婦。

 そんな二人が、休暇中に行ったモロッコ。  
 そこで偶然出会ったのが、
ロシア・マフィアの幹部ディマだった。

 ディマは、組織のマネーロンダリングに関わる人物。

 組織のボスが代替わりしするが、
新しくボスとなった人物に、
ディマは仲の良かった弟分と
その妻子を殺されてしまいます。

 自分と家族の身にも
同様の危機が迫っていることを知り、
ディマは組織を裏切ることを決断します。

 ペリーとゲイルは、
マネーロンダリングの
情報が入ったUSBを
MI6に渡してくれるように
ディマから頼まれる。

 突然の依頼に戸惑う二人だったが、
ディマだけでなく
彼の妻子の命まで
狙われていることを知り、
引き受けます。

 最初こそ困惑していたものの、
信義に厚く誠実なペリーは
ゲイルと共に
ディマと彼の家族を助けようと
奔走します。

 そのことがキッカケで、
ペリーとゲイルは
危険に巻きこまれていきます。

 ディマの裏切りを察知したボスは、
次々と刺客を差し向けます。

 ペリー夫妻とディマ一家は
なんとか追っ手をかわし、
イギリス、フランス、スイスへ
と何とか逃げますが……。




 
 平凡な一般市民である
ペリーとゲイルと、
 ロシア・マフィアの幹部ディマ。

 普通なら
決して交わることのない
人間同士です。

 彼らは世界中を彷徨い
命を狙われる極限状態の中、
互いに協力し合い
危機に立ち向かいます。

 やがて彼らの間に
友情と信頼が芽生えていきます。

 真の友情を築くのに、
付き合う期間の長さ
職業や身分や立場、
そんなものは関係ないんだと、
この映画は教えてくれました。

 立場の違う2つの家族が
命を狙われながら世界中を旅する
極上のクライムサスペンスです。
 
 
 
 
 


 亡き夫と巡る、切ない二人旅!

映画『岸辺の旅』2016年、128分

 自宅でピアノ教室を開いて 
細々と生計を立てる
薮内瑞希(深津絵里)。

 花が活けられ、
居心地の良さそうなインテリアに
囲まれた瑞希の家。

 そんな自宅で
子供たちにピアノを教えている
瑞希の世界は、
一見平和で穏やか。
 
 
 大学病院の勤務医である
瑞希の夫ー優介(浅野忠信)。

 彼は多忙な余り
心を病んでしまった挙句、
3年前のある日、突然失踪します。
 以後優介は、そのまま行方不明に。


 だが、そんな優介が突然
瑞希の元へ帰って来ます。

 「自分は既に死んだ身である」
と説明する優介は、
3年前と全く変わらない
口調と態度。


 困惑する瑞希だったが、
思い出の場所を一緒に旅しよう
と誘われ、了承します。

 こうして始まった
夫婦二人だけの旅。

 二人は電車やバスを乗り継いで、
優介が若い頃暮らしていた町へ。

 そこには、学生時代に世話になった、
新聞店の老店主ー島影(小松政夫)
がいました。


 久しぶりにも関わらず、
ずいぶんと会話が弾んだ優介と島影。
瑞希たちはしばらく、
島影の家に滞在します。

 優介と島影老人との暮らしは、
まるで本当の家族のようで、
瑞希に穏やかな幸福感を
もたらします。

 だが、島影はある日忽然と
消えてしまう。

 実は、島影も優介同様に
既にこの世の人ではなかった。


 次に二人は、
食堂を営む夫婦の元へ。

 ここでも瑞希と優介は、
夫婦の好意で住み込みで
食堂の手伝いをしながら
厄介になります。

 使われなくなった大宴会場の片隅に、
置かれていた一台のピアノ。

 それは
フジエ(安藤サクラ)にとって、
亡き妹との
大切な思い出の品だった。

 瑞希は、
フジエの亡き妹が弾いていた
思い出の曲を演奏します。



 優介宛の1通の手紙を巡って
優介と口論となった瑞希は
一旦、帰宅するが、
旅を途中で投げ出した事を
後悔します。

 再び変わりない姿で現れた
優介を前に、
今度は最後まで
彼の旅に付き合う決意を固めます。



 山奥の農村へと向かった優介と瑞希。

 二人は、
息子を失った星谷(柄本明)
の世話になります。

 美しい旅の風景。
 夫に縁のある人たちとの心の交流。

 夫との旅は
瑞希に多幸感を与えますが、
二人の旅も、
終わりが近づいていました。


 ストイックに見える瑞希だが、
その中に秘めた
「夫に対する狂おしい程の愛情」を、
深津絵里さんが丁寧に演じています。


 切なすぎる夫婦愛です。
 大好きな作品のひとつです!


 

 


 

ebigoro2's HAPPY CINEMA LIFE

大好きな映画やDVD。 日々の生活のあれこれー お気に入りのモノや 風景とともにー ゆるく気ままに綴ります(๑˃̵ᴗ˂̵)

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