五感で体感する映画〜見て聴いてリズムを刻んで〜音楽(歌、ヴォーカル)

映画『私は、マリア・カラス』114分。

 2017年、フランス🇫🇷

 2018年12月21日 公開



 1977年に、わずか53歳でこの世を去った

オペラ歌手マリア・カラス。


 力強さと繊細さを合わせ持つ歌声と、

努力に裏打ちされたテクニック。

 完全に役になりきる演技力。

 類まれなる美貌とカリスマ性。


 いまだに多くの聴衆を魅了してやまない、

20世紀を代表する偉大なるディーバ。


 彼女の没後40年の時を経て、

彼女が記した未完の自叙伝が

明らかになります。


 トム・ヴォルフ監督は、3年をかけて

『真実のマリア・カラスを探し求める旅』

をしました。

 監督は、彼女の親しかった

友人たちの協力を得て、

彼女の自叙伝の原稿

貴重なプライベートな映像や手紙

を入手します。

 ○プライベート映像。 

 ○手紙の朗読。 

 ○実際に舞台の上に立った時やテレビに

出演した時の映像や音源。


 実はこの映画、それだけで構成された、

ドキュメンタリーなのです。

 それなのに、

ちゃんとドラマになっているのです!



 スターらしく、数々のスキャンダルで

世間を騒がしたカラス。

 ○ 年上の夫との離婚騒動。

 ○ 大統領も出席したローマ歌劇場の

舞台『ノルマ』を、第1幕で降りたこと

に対する大バッシング。

 ○クビを宣告してきた、

メトロポリタン歌劇場支配人

とのバトル。


 ここまでの彼女は、

マスコミにも冷静に対応するし、

毅然とした態度を崩しませんでした。

 

 そんな彼女も、ギリシャの大富豪

オナシスとの9年にも及ぶ、

秘密の大恋愛をします。


 オナシスとの切ないラブレターの

やりとり。


 もう、この人しかいない!

 オナシスとの恋に夢中になっている

彼女のジワジワとした

熱に浮かされるような感じとかが、

手紙の文面からも伝わってきました。


 

 そんな最中、

とんでもないニュースが

彼女のもとに飛び込んできます。


 それは、

ギリシャの海運王ーオナシスと、

元ケネディ大統領夫人ジャッキーが

結婚したというものでした‼︎


 彼女は、新聞の紙面ではじめて、

そのことを知ります‼︎🙀


 何ということでしょう‼︎


 歌姫の地位を捨ててもいい!


そう思っていた相手に、

二股かけられて捨てられたという、 

ちょい前の昼帯の愛憎ドラマよりも

ドロドロな展開に呆然!


 ちょうど歌唱法を変える為に、

毎日訓練を重ねていたカラスは、

心身共に大変な時でした。


 そんなタイミングで知らされた

オナシスの裏切り。


 精神的に本当に

どん底に落ちたんだなぁと思います。

 でも、何とか必死に持ち直そうと、

健気にも努力してるのです。


 当時、友人に送った手紙には、

その時のボロボロになった

心情が綴られていて、

カラスのやるせなさとかが

伝わってきました。


 

 毅然とした態度で

マリア・カラスとして

舞台に立つ映像と、

ただのマリアとして

プライベートでリラックスする彼女

との対比。

 それらに、

友人たちにあてて書かれた

手紙の朗読が加わることで、

当時の彼女の本当の気持ちが

伝わってくるのです。 


 彼女自身、インタビューで

「歌手マリア・カラスと私は

全く別の人間よ。

マリアとして生きるには、

カラスの名が重すぎるの」

と、申しております。


 世界中の聴衆に愛されたディーバ

マリア・カラスの愛の喜びと哀しみ。

誹謗中傷に傷ついたり悩んだりする姿。


 等身大の彼女を垣間見ることが

できて良かったです。


 ドキュメンタリー映画なのに、

濃ゆい愛憎劇を観た気分です。

 私的にはかなり好きかも❤️

これは、

クラシックファンじゃなくても、

楽しめれる作品だと思います!



🎶劇中でのマリア・カラスが歌い上げる曲🎶
「トスカ」より  
“歌に生き、恋に生き”(プッチーニ)
「ノルマ」より
 “清らかな女神よ”(ベッリーニ)
「ジャンニ・スキッキ」より  
“私のお父さん”(プッチーニ)
「蝶々夫人」より 
 “なんて美しい空”(プッチーニ)
「椿姫」より
  “さようなら、過ぎ去った日々よ”(ヴェルディ)
「カルメン」より  
“恋は野の鳥”(ビゼー)
   ……他、多数               (公式HPより)
                                  









映画『バルバラ〜セーヌの黒いバラ〜』99分。

 2017年、フランス🇫🇷



 1950年代から、
シャンソン界の女王として君臨し、
『黒いワシ』『ナントに雨が降る』
などの名曲で知られる、
フランスの伝説的なシャンソン歌手
バルバラ。
 
  彼女の一生をドラマ化した映画です。

 これって、ドキュメント映像?

 そう思わせてしまう程に
徐々にバルバラという役に同化していく、
主役ジャンヌ・バリバールの
演技力がスゴイです。
 

 バルバラが生み出した名曲が
50数曲登場しました。

 バルバラ本人が歌う、
古い記録映像や音源も盛りだくさん。

 

 恥ずかしながら、この映画を見るまで
シャンソンの名曲どころか、
バルバラの名前さえ知りませんでした。

 でも、聞いていて
とても素敵な曲だなと感じました。


 ちょうど、私の後ろの席にいた
80代くらいのご夫婦が、
「若い頃を思い出すね」
「久しぶりに良いものを聴いたねえ」
と、おっしゃっていました。

 ホント、同感です。
 シャンソンの良さは、大人になって
ある程度の人生経験を積まないと、
わからないのでしょうね。

 シャンソン好きな人必見です!
 まるっと、シャンソンにひたれますよ。








主人公ステッドがソロで歌うシーンが凄い!少年たちの歌声は、まさに天使👼!

📀映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』103分。

2015年、アメリカ🇺🇸

 
 2015年9月に見に行った作品です。

[あらすじ]

 乱暴で、
トラブルばかり起こす12歳のステッド。

 そんなある日の校内。
 音楽の授業中に
変な替え歌を歌っていたステッド。
 彼の歌声を聴いた女性の校長先生は、
彼の歌の才能に気づきます。

 彼女は、 ちょうど学校に慰問に来ていた
国立少年合唱団の指導者カーヴェルに、
ステッドの入団を頼みますが、
ステッドの態度の悪さを理由に
断わられてしまいます。


 ステッドは、シングルマザーの母親に
ネグレクト同然に育てられていましたが、
その母親が事故死してしまい、
ひとりぼっちになってしまいます。

  一方、経済的に母子に
援助していたステッドの実父ジェラルドは、
この状況に困り果てます。

  既に家族がいるジェラルドは、
ステッドの存在を妻子に知られる訳に
いかず、多額の寄付金を支払い、
ステッドを全寮制の名門少年合唱団
に入れてしまいます。

 その合唱団こそ、
カーヴェル率いる国立少年合唱団でした。

 同じ年頃といっても、
良家のお坊ちゃんばかりの集団に
放り込まれたステッドは、
さっそく浮いてしまいます。

 天性の才能があるステッドですが、
楽譜が読めないことで
周りからバカにされ、イジメに合います。  

 だが、ひとりだけ親切な少年がいて、
彼から楽譜の読み方や音楽理論を
教わります。

 楽譜が読めるようになり、
練習についていけるようになるにつれ、
周囲の人間ともうまくいくように
なっていきます。

 師匠カーヴェル(ダスティン・ホフマン)
は、ステッドを温かく見守りながらも
厳しく指導していきます。  

 厳しい練習を積み重ねて
ステッドはみるみる上達し、
どんどん重要なポジションに
昇格していきます。

  ある時、ナンバー1の少年が
風邪で声が出なくなり、
ステッドは彼の代役に抜擢されます。

  ナンバー1の少年は、このままでは
自分の地位が危うくなるのでは?
と危機感を覚え、ある行動をとります。

  天使のような子供であっても
嫉妬心や悪意はある。

  むしろ、子供だからこそ剥き出しに
なってしまう。

  綺麗なシーンだけじゃなく、
そういうドロドロしたものも、
キチンと描かれています。

  彼らが、日々の練習や各地のコンサート
歌うシーンの中で、
様々な名曲が歌われるのですが、
その中でも私は『40音のモテッド』を歌う
場面が好きです!

 音と音の重なりが
とても心地良いのです。

 

  クリスマスコンサートで、
『メサイア 』を少年合唱団が歌います。

 ステッドがソロを歌うシーンは鳥肌もの。

 息子ステッドの晴れ姿を見た父ジェラルドは、ステッドの存在を明かし引き取りたいと思い、妻子に打ち明けます。

 ジェラルドは、自分の元で一緒に 
暮らさないかと、ステッドに申し出ます。

 
  問題児だった少年が歌の才能を見出され、
偉大な師匠による厳しい指導と、
高レベルなライバルたちとの切磋琢磨
を通して、もの凄い成長を遂げる。

  出会う人によって
人はこんなに変われるんですね。

  そんなステッド少年を演じた、
主役のギャレット・ウェアリングの
繊細で瑞々しい演技が良かったです。
 
 



🎬映画『音量を上げろタコ! なに歌っているのか全然わかんねぇんだよ‼︎』2018年。

 2018年10月12日公開。



[あらすじ]

 脅威の歌声を持ち、カリスマ的人気を
誇るロックスターのシン(阿部サダヲ)。

 長年のドーピングによる副作用で、
シンの声帯は限界を迎えつつありました。

 倒れたシンを助けたのは、
異様に声の小さい、
ストリートミュージシャンの
ふうか(吉岡 里帆)でした。

 そんなふうかに、シンは
「お前には誰かに何かを訴えたい
伝えたいメッセージはないのか?」
と問います。

 シンは、ふうかの所に転がりこみます。

 二人は一緒に過ごしていくうちに、
互いに少しずつ変わっていきます。

 シンは、壊れかけた声帯を元に戻す
手術を受ける為に、ふうかと共に
最先端の技術を持つ韓国に渡ります。

 シンの所属するプロダクションの社長は、
手術によって、シンの美声が消えてしまう
ことを恐れて、怪しげな追っ手を
差し向けます。

 彼らから逃げたシンとふうかは、
とんでもない方法で彼らを撃退します。 

 だが、騒ぎが大きくなり過ぎて、
韓国警察が出動するはめになり、
シンは逮捕されてしまいます。

 パトカーに乗せられたシンを
追いかけるふうかは、
初めて大きな声で絶叫します。

 阿部サダヲさんと吉岡里帆さん、
二人とも歌が上手い。

 カリスマロッカーを演じた
阿部サダヲさんの演技がスゴイ!




🎬『ボヘミアン・ラプソディー』135分。2018年アメリカ。

 伝説のバンド『クィーン』の、誰もが知っている数々の名曲と共に!

 2018年、アメリカ🇺🇸。135分。



[あらすじ]

 誰もが知っている伝説のバンド
『クィーン』のリードヴォーカル、
フレディ・マーキュリーの
生き様が描かれています。

 パキスタン人の家庭に生まれたフレディ。

 彼は過剰歯による歯並びの悪さに対して、
コンプレックスを抱えていました。


 ある日、フレディはライブハウスで、
後にファミリーとなる
バンドのメンバーと出会います。

 フレディとメンバーたちは、
実験的な挑戦をし、
誰もが知っているヒット曲を次々と
生み出していきます。

 世界的な大スターとなっても、
新しい音楽を作りあげることに
情熱を傾けます。

 ついに彼らは、ロックミュージックに
オペラを取り入れるという、
今までの既成概念を覆す
『ボヘミアン・ラプソディー』
を完成させます。
 
 やがて、 フレディはソロ活動を
始めますが、クィーンは崩壊寸前
となってしまいます。

 そんな折、クィーンは、20世紀最大の
音楽イベント『ライブ・エイド』に
出演することになる。

 その21分間のパフォーマンスのシーンは、
感動でした。

 自分があの場所にいて
イベントに参加していたんじゃないか
と、思えるほどの臨場感!

 聴けば思わずリズムを刻んでしまう、
名曲の数々!

 


 伝説のバンド『クィーン』の名曲の数を、
大画面と音響設備の整った劇場で
是非味わってほしいです!
 おススメです‼︎

 





  


ebigoro2's HAPPY CINEMA LIFE

大好きな映画やDVD。 日々の生活のあれこれー お気に入りのモノや 風景とともにー ゆるく気ままに綴ります(๑˃̵ᴗ˂̵)

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